晴耕雨読と〇部録

ビブリオバトル、茶トラネコ、書評、日々の雑感などを書き連ねる

『ソバニイルヨ』喜多川 泰

 一言でいうと、「父親が中学生の息子のためにドラえもんを作った」という話。

 中一の隼人は、勉強が嫌いで周りの目ばかりを気にして生活している。そして「変人」で人工知能研究者の父親が、3ヵ月ほどアメリカに行って不在になるという。父親が旅立った日、隼人が帰宅すると部屋には不格好なロボットがあった。
 
 ロボットの名前はUG(ユージ)。隼人に「アイ」を伝えるために、生まれてきたという。最初はユージを毛嫌いしていた隼人だった。しかし、友人と仲違いし孤立する中で、ユージと話を話をするようになり…

 ロボットとの友情と少年の成長、そして「アイ」の意味が描かれる。ちなみに「アイ」とは「愛」のことではない。ユージと隼人のお父さん、good jobです。

 ジュニア向けに書かれていると思うのだが、大人が読んでも良い物語。ラストのほうは、不覚にも落涙してしまった。